『子どもたちのみえる風景』 ─ おはよう校長 12年のあゆみ ─


 元千葉県八街市校長会長 林 修三 著
 
発刊を祝して
千葉県立中央図書館長 荒木田 安示
  畝立ててほのと湯気わく寒の土  福田 甲子雄

 五年ほど前になりますが、朝日新聞「折々のうた」に掲載されていました。印象に残る句でしたので、時々引用させてもらっています。
 この句のイメージがどうも林修三先生と重なってしまいます。春の植付けのため畝を立てていくと、大地 が親しみを込めて挨拶を返してくれる。人と対象との何とも言えないコミュニケーションの世界がありま す。林先生の教育実践においても、まずコミュニケーション重視が挙げられます。人と人とのふれあいを 通して、子どもたちに驚きや喜びを、さらには相手の思いを感じ取ってほしいと願っていたのではないで しょうか。
 次に、畝を立てる林先生の姿です。経験に裏付けされた確かな鍬捌きであり、相手が応えてくれるような 土起こしでもあります。基本を大切にしながらも、子どもにとって大事なことであれば、躊躇せずさまざ まな取組みにチャレンジしました。自ら率先して行動する先生の姿が多くの人の目に焼き付いています。
 本書のどこからお読みいただいても、林先生の教育の真髄をとらえていただけるものと思います。これは、「ハヤシワールド」ですから。
 本書の発刊を心からお喜び申し上げます。


発刊によせて
千葉県小学校長会会長 吉井 猛彦

 幼稚園の園長さんとしてご活躍の林先生、小学校長時代とはちょっと違った顔、何とも言えないお顔です。 しかし、先生の中身は、今まで通りと思っています。
 精力的に活動する林先生、時には、後輩の動きを察し、手厳しい評を加えながらの指導もいただきました。 本書を手にし、拝読いたした時、かつての林先生の活躍ぶりがよみがえってまいりました。
 校長のリーダーシップといいますが、常に我々の先頭に立ち、努力の人でありますし、今でも、お元気で 活躍されておられます。二年間、同学年に席を置かせていただきましたが、教諭時代の子どもたちに対す る指導や教材の与え方など、常に私の範とするところでありました。
 これが良いと決められると、躊躇せず、目標に向かって突き進まれます。そのような中から考えられた校 長としての、また、教師としての生き方を、本書に示されているように思います。率先垂範、誰に愚痴を 言うわけでもなく、自分で働きながら、その姿を同僚に、職員に、子どもたちに見せていました。知らず 知らずのうちに、先生の活躍の中にみんなが巻き込まれていきます。
 ご退職前の三年間、県小学校長会生徒指導部長として活躍されましたが、先生が部長をされていた時の生 徒指導の研修会は、それまでにない盛況であったことを覚えています。
 本書が多くの方々に読まれ、私ども後輩たちのこれからの糧となれば、大変素晴らしいことと思います。
 林先生の益々のご活躍をお祈りし、刊行のお祝いといたします。


[ 目次 ]

発刊を祝して 千葉県立中央図書館長 荒木田 安示

発刊によせて 千葉県小学校長会 吉井 猛彦

第一章 校長が代われば学校が変わる?

その一
(1) 校長こそ最大の情報者であれ
(2) 校長こそ最大のボランティアであれ
(3) 校長こそ最大の気配り者であれ
(4) 校長は偉大の「羅針盤」であれ
(5) 校長は最大の共有者であれ
 文集『ひざし』より 「おはよう!」で勝負

その二
(1) 校長から卒業生への一枚のハガキ
(2) 校長から卒業生へのプレゼント
 子どもが主役の卒業式
(3) 校長から卒業生へ贈る手づくり『文集』と『しおり』
 ある年の文集より -おめでとう168名の友よ-
(4) 姉妹校交流が与えるものを信じて
 PTA広報誌より 文字入りリンゴを贈る
 お祝いのことば
 「弘前ねぷた」子どもたちの思いをのせて千葉へ
 みんなで作った「ねぷた」
 「ねぷた」が行ってしまう
 姉妹校への返信
 お祝いのことば
 感動をくれた素晴らしい津軽っ子に大きな拍手を
 ねぷた祭りの思い出
 弘前のねぷた体験に行って
(5) 校長のゲストティーチャー学習

第二章 校長同士の連携が教育を深める

一 夢をはぐくむ教育推進が語るもの
二 この時、地域が支えてくれた
(1) 学校のことをよく知ってもらおう
(2) 学校の行事への参加
(3) 組織化による活動の推進

「幼・小・中・高連携教育」の推進
幼・小・中・高連携教育への取組み -継続指導を目指して- 時報掲載文
一 はじめに
二 幼・小・中・高連携教育への取組み
(1) なぜ、幼・小・中・高連携教育なのか
(2) 幼・小・中・高連携教育の三本柱
三 本校の幼・小・中・高連携教育の実践
(1) 教育課程連携部での取組み
(2) 生徒指導連携部での取組み
(3) 幼児・児童・生徒連携部での取組み
四 校長としての本研究へのかかわり
(1) 六項目及び授業改善の視点定着のための手だて
(2) 保護者・地域への発信
(3) 学区内の幼・小・中・高教職員の意識向上への働きかけ
(4) 学区内の代表会議の定例化
(5) 広報・看板などによる啓発運動
五 おわりに
『進路指導』寄稿文より 今こそ三本の矢で育てたい 夢をもつ子を

第三章 新設校の校長の苦悩

1 学校教育目標の作成
2 校歌の作成
3 校務分掌の組織編制に当たって
4 地域とともに新設学校を創り上げていくために
(1) PTAの組織づくりと活性化
(2) 地域活性化の要因となった市民運動会
 市民運動会の長なわとび大会に参加して
 スポーツはコミュニティづくりの原動力になり得る地域の宝

第四章 子どもと地域が喜びを共有するために

一 子どもと地域が喜びを共有するために
(1) ラジオ体操の会場となった日
(2) クイズタイムショック
 「クイズタイムショック」が来た
二 「地域に学校を開く」で試みたこと
(1) 地域掲示板の設置
(2) 広報紙の地区回覧
(3) 健全育成標語の募集と掲示板設置
(4) 地域ぐるみの運動の展開
(5) 地域完全育成協議会の組織化と活動
三 PTAの活性化 -バザーを通して-

第五章 校長室からのメッセージ

楽しい学校で
この頃思うこと
夏休みを前に
思い出に残る運動会を!
子どもたちに自信と愛情を
子どもたちに心のプレゼントを!
和をもって子どもの教育に全力投球を
一日入学雑感
今こそスタート (竣工式)
卒業生を送る気持ち
GWとその狭間
企業における人材育成から
運動会雑感
子どものよさをはぐくむ四つの「みる」
高めたい教育の信頼関係を!
なおいっそうの道徳教育の充実を
ユーモア心をもった先生で
この教室を去る前にすべきこと
子どもの瞳が輝き満ちる一年のスタート
研究指定校はプラスかマイナスか
あの子にはどんなひと声をかけますか?
運動会は日本だけ?
さつまいもの収穫祭
海の港の学校と空の港の学校
年度始め、気をつけたい昨年通り
PTAのパワーに感謝
サルビアいっぱい、キノコいっぱい
むし歯予防公開研究会が残してくれたもの
実生活で生きていける子どもを目指して
夢教育推進の一歩
忘れられない通知表 その二
運動会と親子の絆
新春に二つの朗報 夢・希望
好かれていますかお父さんお母さん
水田がオープン
輝く○○っ子、みんなちがってみんないい
生きる力 生涯学習の基礎をはぐくむ
姉妹校交流の絆をよりいっそう深めたそばの日
確かに育っている豊かな心・感性
花開いての修了式
子どもの目線で
心に残る運動会
地域からうれしい知らせ
自らの成長を確かめる
翔け! 一九二名の卒業生たち
今こそ多くの人とふれあって
富士山の雄姿に感動の声
交通指導で思うこと
節目をしっかり指導して
現代っ子気質をどうしよう?
巣立つということをみんなで高めよう
交通安全に気をつけて楽しく
創立二〇周年の二〇を目標に
みんなで創立二〇周年記念運動会を盛大に
秋晴れの創立二〇周年記念式典を第一歩に!
何かちょっと変だな?
確かな子どもの育成を家庭・地域・学校とのより深い連携で
思いは走馬灯のごとし 晴れの第二〇回卒業式

【号 外】
学校最後の土曜日集会活動
新しい教育のスタート 華そえる兄弟姉妹校の締結!
地域ぐるみの徳育実践 登下校中にゴミを拾う児童
台風一過のあとの青空のように
食べっぷり・走りっぷり・読みっぷりに最適の秋!
夢をもって生きることを教える職場体験学習
子どもたちの朝陽小学校へのお願い
これってどうなんだろう?
新しい教育元年の足跡
子どもの体力を高めて楽しい生活を
「学校できて一二〇年」の看板が願うもの
夏休み、家庭・地域でより高めたい「徳・知・体」
満月のようにまんまるの「徳・知・体」が育つ二学期を!
輝きの日、創立一二〇周年記念式典
輝ける二〇〇四年、見て・聞いて・話す力をはぐくもう
創立一二〇周年の一年をリードした素晴らしい卒業生!
成果をあげての修了式
四年生の宿泊学習
看板の標語やスローガンが生きるために
楽しく意義ある夏休みにするための五つのお願い
ネイチャースクールが語るもの
地域公開(1)  
地域公開(2) 公開研究の成果を日々の生活で実践を!
不審者対策と命の教育
学校で学び得た力を実践してこそ生きる力

【トピック】
子どもにとっての校長
時に教師は「ピエロ役」
子どもにとっての校長
校長の朝のスピーチ
玄関の張り紙
あの時は……
一枚のはがき
教え子の結婚式
人は鏡のごとし
祝日の意義をしっかり教えよう
話はTPOに応じて……

第六章 明るい学校 春夏秋冬 (『北総よみうり』より)

育てたい生きる力 ─今なぜ小中連携教育か
教えよう伝統文化に根付く“生きる力”を
将来の夢を持とう ─校長との給食会に思う
伸ばそう若葉の子供 ─新教育で多くの夢・希望を
種から大きな実へ ─クリーン作戦で豊かな心を
健康で幸せな生活 ─がんばる子の源“白い歯”
いろいろな体験を ─夏休みこそ総合学習の場
家庭と地域の役割 ─子どもたちにふるさと心を
思い出つくる運動会 ─生きる力培う教育の機会
笑顔が語る給食会 ─“3つの秋”楽しい食事を
創造力養う読書 ─豊かなイメージを育もう
午年から未年へ ─子どもたちのゆく年くる年
夢を持って1年を ─実現へ今日この一歩から
遊びで育つ連帯感 ─長縄飛びで友情・感動を
子どもたちも啓蟄 ─胸はずむ卒業、そして進級
育みたい感動の心 ─夢あふれ楽しい学校へ
新緑・深緑・新力を ─教えたい自然を守る大切さ
小中連携教育を推進 ─楽しくなる授業の工夫
自然体験で生きる力 ─宿泊学習で思い出づくり
地域とふれあいを ─盛り上がった巡回体操会
正しい防災知識を ─安全な生活で大きな実に
他校交流で育つ力 ─心に残る創立記念の工夫
学校ができて120年 ─こども主体の輝きの日に
年賀状に勇気づけられ ─夢・希望を創る学校へ
二の言葉で育つ心 ─思い伝わる先生方の週案
巣立つ6年生に感謝 ─心ひとつにした縦割り活動
“一期一会”の季節 ─出会いが育む新しい息吹
楽しい授業の工夫 ─継続指導6項目の定着で
あいさつと会話で ─心が通う学校・地域づくり
子どもの良さ発見 ─通知表から伝わるすごさ
姉妹校との絆で創る ─異文化にふれ育つ豊かな心
親子の絆で“共有” ─持ちたい子どもとの接点
健やかな成長は正しい食生活から
豊かな心育てる読書 ─読む力は文化のオアシス
体験学習で意欲向上 ─地域の人と学ぶ調理実習
ほめて伸ばす力 ─書き初めが伝える今年の心
綱が育てる友情の輪 ─季節に合わせ楽しい工夫
四季おりおりに成長 ─季節が創る楽しい学校

あとがき
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